秋の映画祭レポート 2015

今日で当HPも、丸16年だそうですよ。(^^;)
ダラダラやっておりますが、引き続き、お付き合いの程をよろしくお願い致します。m(_ _)m


さて、毎年秋の映画祭ですが、メインの東京国際の方は相変わらずだったんですけど、その他のイベントが中々のラインナップだったので、珍しく楽しめた年だったのではないかと。


簡単にですが、書き残しておきます。




10月23日(金)14:15〜 TOHOシネマズ六本木スクリーン7
東京国際映画祭 「破風」 125分


お気に入りのダンテ・ラム(林超賢)監督の新作。
自転車の映画だとは何となくポスターを見て知ってはいたんだけど・・・
この監督と言えば、「=アクション」ってイメージがあるので、ちょっと期待外れだったかも。


台湾が舞台なので、その色が強かったから俳優もあんまり知らなかったし(エディ・ポンぐらい?)、自転車のロードレースを通した「青春映画」と言う感じだったけど、この競技自体、非常に過酷で危険なスポーツなんだそうだ。エンディングの撮影風景も凄く大変そうだったから、ある意味「アクション映画」の要素も含んでるのかなと。(^^;)


映画自体はそれなりに楽しめた。
2年前の「激戦」もそうだったけど、スクリーン7で上映されるって事だけでも見に行く価値は十二分にあると思うんだよね。スクリーンが大きすぎて、一般上映でも横端が度々黒く切れるのに、今回の「破風」は画がフルでしっかりと映ってた。設備も整ってる劇場だし、劇中の音楽も素晴らしく、本当に心地良かった。


上映終了後、監督のティーチ・イン。

「破風」って、風除けって意味なのか。
最後に監督からこの言葉を引用して素晴らしいメッセージが・・・「あなたの風よけとなってくれる人、それはパートナーだったり、家族だったり、友人だったりするかもしれませんが、その方をどうぞ大切にして幸せに暮らして下さい。」……だなんて、ジーンと来てしまった。


ティーチ・インの詳細は「アジアンパラダイス」さんのブログ。ココ


ティーチ・イン終了後は、恒例のサイン会。(汗)
ちょっと人が多過ぎたし、サインは前回もらってるんで、時間がかかりそうだったので今回はパス。(≧◇≦)





10月24日(土)17:20〜 TOHOシネマズ六本木 スクリーン9 
東京国際映画際 「レイジー・ヘイジー・クレイジー/同班同学」 99分 


時間的には、毎週この時間はジムなんだけど、昼間にずらして、疲れが残ったまま参加。そのまま寝ちゃうかもしれないと心配だったが、何とか大丈夫だった。


香港公開よりも少し早いワールド・プレミアがこの日本だって言うのが嬉しいじゃないか。パンちゃん(彭浩翔)がプロデュースだって言うから、まぁ内容の方は十分期待・・・(笑)


そっか、監督は女性なのか。
やっぱり女性がこういった題材(援交もの)を描くとこうなっちゃうのかな。
セリフはエグいんだけど、描写はそんなにキツくない。
なんか何処となくキレイと言うか、これがパンちゃんだと、こうはならないだろうと。ちょっと残念。
それと、今や中国で大人気の蒼井そらが、「蒼井そら似」の役で出ていた。(笑)


上映終了後、ティーチ・イン。


メインの女の子三人、監督、パンちゃん、そして蒼井そらが登壇。
ハジメマシテ」「アリガトウゴザイマス」とか一生懸命に日本語で挨拶していて好感が持てた。
メガネっ子ちゃんは「ワタシのアイドルはミカミヒロシ(三上博史)」だそうな。


香港の若者っぽく、日本への憧れが強いのか、来日をとても嬉しがっていた。テレビドラマの出演経験のある女の子もいたが、演技の経験はほぼ初心者だそうで、クランクイン前に三人で同居して撮影に臨んだとか。


ティーチ・インの詳細は「アジアンパラダイス」さんのブログ。ココ


ティーチ・インが終わってから、ジャッキーの新作「ドラゴン・ブレイド」の前売券を買いに行っている間に、特設ブースでサイン会が行われてるじゃないか!それも凄い人!





写真を撮った後で、来場者がもらえた「特製バインダー」にサインをもらおうと並ぼうと思ったんだけど、(今回に限って)何故か躊躇しているうちに「締め切りです」と声がかかってしまった。うわぁ〜自分としたことがなんたる失態!!(≧◇≦)


蒼井さんがいたこともあるのか、厳重にガードされて中へ入って行ってしまった。(残念!)




10月25日(日)12:50〜 TOHOシネマズ日本橋 スクリーン1 
中国映画週間「モンスター・ハント/捉妖記」 118分


毎年会場が変わるこの映画祭。今年でちょうど10年目だそうな。
去年は参加しなかったので、二年ぶりか。
公式HPに作品名は出てたんだけど、スケジュールは直前になって出たし、作品の詳細説明はチケット発売後になって、ちょっとしてから、更新になったって言う・・・もう何だかねぇ。


どれも大陸色が強いし、そんなに中国映画には詳しくないんで、翻訳をやってらっしゃる方のブログを参考にさせてもらいながら、発売スタートと同時にチケットを購入。


聞いたこともない邦題が付いてて、ノーマークだった映画が、パンちゃん監督の作品だとわかり、慌てて購入したりして。
以前の日本語字幕騒動もそうだけど、国やお役所が絡んでるんだから、それなりにちゃんとやって欲しいよね。
彼らが一番気にする「メンツ」の問題に関わることじゃないの?(汗)


で、今回の会場はTOHOシネマズ日本橋
驚いたのが、チケットを引き換えたら、TOHOシネマズのポイントが加算されてた。これだったら、劇場も良いし、毎年ココでやってくれると嬉しいなぁ〜!!m(_ _)m


土曜日で、一般の作品もやってるから、ロビーにお客さんはたくさんいるんだけど、この映画祭をやってるって言う雰囲気が全くない。これまた何だかなぁと。


映画の方は、今年中国で大ヒットした映画だそうな。
何かネットのニュースでポスターは見ていたけど、それぐらいのイメージしかなかった。
大陸の俳優が多いし、中国独特のノリと言うか、かなりドタバタなベタなコメディで序盤はかなり退屈したけど、「ミラクル7号」みたいなキャラが愛らしく、後半最後はグッと巻き返した感じ。泣いてる人も結構いたかな。ノーマークだったが、香港映画スター(エリック&サンドラ)も出て来たりして中々面白かった。


それから肝心の字幕は全く問題なしで一安心!!これは正直かなりホッとした!!\(^o^)/




10月25日(日)15:50〜 TOHOシネマズ日本橋 スクリーン1
中国映画週間「西遊記 ヒーロー・イズ・バック!/西遊記之大聖帰来」 89分


続いて、そのまま同じ会場で二本目。
事前に飯星景子さんのブログで絶賛されていたので、ちょっと気になっていた作品。
飯星景子さんのブログでの紹介記事。 ココ


いやぁ〜これは凄かった!!
中国のCGアニメもココまで来てるのかと。
監督は香港の方なので、そのへんの都会的なセンスもあるのかな。
ノリ的には「カンフー・パンダ」みたいだったけど、見せ方もカッコ良く、スピード感があって、本当に面白かった!\(^o^)/
日本で買ってくれるトコは無さそうなんで、これは何かのイベントでもう一回見たいぞ!


自分の席(後方列)を見回して不思議に思ったのが、中国人の女性が多かった。それでもって、結構ウケてるんだよね。
やっぱり北京語の独特の面白さやノリとか、中国ではお馴染みの西遊記ネタとか、ツボみたいなものがあるんだろうな?と思ったり。
ネットでいろいろ検索したら、公開当時、本土でも随分と話題になってたそうで、熱狂的なファンが結構いるのも頷ける出来。
動画サイトで丸々見れるトコもあるんだけど(汗)、いろいろ危なさそうなんで、ご興味のある方だけ・・・ぜひ。(笑)




10月27日(火)16:00〜 TOHOシネマズ日本橋 スクリーン1
中国映画週間「愛のカケヒキ/撒嬌女人最好命」 95分


去年の11月末に中国で公開になった新作だそうな。
大陸と台湾が舞台の黄暁明&周迅のラブコメ
パン・ホーチョン(彭浩翔)監督作品で楽しみにしてたんだけど、ファンとしては、いま一つ物足りなかったかな。
要所要所には感じられたけど、もっと「下品さ」を求めていたのは自分だけだろうか?
XXが立つとか、XXギロチンのネタは、パンちゃん(または友人)の実話だと思ったりして・・・\(^o^)/


検閲が厳しいのか、大陸に合わせて作ったのか・・・舞台が香港だったら、全然話が違うのかなと。
そう考えたら、これぐらいが適度なのかも。
一応、パンちゃん監督作品は全部見ているつもりなんだけど、今年の春に大阪アジアン映画祭で上映された「アバディーン/香港仔」だけ見てないんだよね。東京国際に期待したんだけど、いつか何処かでやってくれないかなぁ〜・・・


中国映画週間は以上の三本。
心配していた字幕は全く問題なし。ヘンな改行、長文、句読点等もなし。
ここまで来るのに10年かかったか……「孫文の義士団」も、やり直して欲しいわ!! m(_ _)m




11月23日(月)18:00〜 有楽町朝日ホール 
東京フィルメックス「最愛の子/親愛的」 130分


今年のフィルメックス、例年になく、香港映画関係の作品が上映されたり、監督も来日するとのことで、チケットも何とかゲットできたので、楽しみにしていた。


今年は仮設のスクリーンは無くて、常設のスクリーンと言うのをツイッターで聞いたので、随分と引っ込んでいる感じがすると思い、思い切って、前方をチョイス。


これが大正解。
久しぶりに前列あたりで見たけど、ゲストも間近に感じるし、中盤だと自分はもう見づらくなってしまう。
このスクリーンの位置問題、非常に大事。毎年迷うんだけど、やっぱり前方の最後列ぐらいが丁度良いのかな?


映画の方は、来年早々公開が決まっている作品だとは聞いていたが、内容は全く知らなかった。こんな話だとは重い話だとは思っていなかったから、ちょっとキツかった。それも二時間オーバー。
それでもって、この会場のイスの居心地が悪いんだよ。お尻が痛い!痛い!


上映終了後、ピーター・チャン(陳可辛)監督のティーチ・イン。
全編、英語でスピーチ。通訳はサミュエル周さん。


実際に起こった誘拐事件に脚色を加えたんだろうけど、こんなことが本当に頻繁に起こっていると言うのが怖い。
中国ではこういった誘拐事件が深刻化しているんだそうだ。
ちょっとわからなかったのは、<ちょっとネタバレです>
3歳で誘拐されて、6歳でお父さんに再会する時に見せた男の子の反応。
3年ぶりでも全くわからないもんだろうか?何故にあんな拒否反応を示すのか?父親とは仲が良さそうに描いてたけど・・・


ピーターさんのトークで一番印象に残ったのは、
「今後、純粋な娯楽映画を作ることはもう難しい。それよりも真実を描いた映画を作りたい」みたいな事を言ってて、ちょっと驚いた。
ドキュメンタリーなんかよりも、エンタメ映画を作って欲しいなと。


ティーチ・インの詳細は「アジアンパラダイス」さんのブログ。ココ


フィルメックス・デイリーニュース ココ



ピーターさんにサインをもらおうと、出口でギリギリまで待ってたんだけど、とうとう現れず。
ティーチ・インが終わったら、すぐにエレベータで帰っちゃったのかな。




11月26日(木)18:20〜 有楽町朝日ホール 
東京フィルメックス「華麗上班族」 118分


本当に久しぶりに、学生時代からの映画仲間を誘って参加。
彼らは往年のユンファやシルヴィアのファンだ。
日本公開があるかどうか、危うそうな新作なので誘ってみた。(笑)


現地で公開された時に予告編だけ見てはいたが、コメディも得意のジョニー・トーなので、何かオフィス内でのゴタゴタを描いた映画なのかと思っていた。ユンファとの久々のタッグだし、どんなものかと。


ミュージカル映画だった。(乙)
まぁ疲れた。120分は苦痛。途中、何度時計を見たことか。
潤沢な資金を使って撮られた「中国映画」って理解で良いのかな?
舞台は何処なのかってのは明言されてないんだけど、バブリーな上海あたりのオフィス街って感じがした。信号の音は香港だったんだけど。(笑)


印象に残ったのは湯唯(タン・ウェイ)かなぁ。ラストの方で隣の人、泣いてたよ。(^^;)
それとユンファの痩せ方!マジで大丈夫?って感じ。


上映終了後、ティーチ・イン。シルヴィアさん登壇。今日は北京語でサミュエル周さんが通訳。


会場からは、割れんばかりの大拍手!!\(^o^)/


ユンファの撮影期間は、10日間。
撮影が無い時でも遊びに来ていて、「現場が好きな人なんだな」と改めて思ったとか。「歌は殺されても歌いたくない」とか言ってたそうだ。(会場大爆笑)


フィルメックス・デイリーニュース ココ


ティーチ・イン終了後に、この日も下のロビーで出待ちをしてたんだけど、全く現れる気配がない。終いには、会場スタッフの方に「どなたかお待ちですか?」と聞かれてしまった。


半分追い出される形で、仕方なくエレベータを降りると・・・
なんと目の前にシルヴィアさんがいるではないか!!


友人は慌てることなく、「過ぎ行く時の中で/阿郎的故事」のDVDにサインをもらい、自分はもうテンパりながら、カバンの中から、シルヴィアさんが表紙を飾った「銀色世界」を取り出すと、「OH!」と驚いてくれ、拙い広東語で「そうなんです。古い雑誌でしょ?」と言葉をかけると、そのままササッとサインをしてくれた。
<『銀色世界』 1978年4月号 No.100 >


「一緒に写真も良いですか?」と、(香港人の?)スタッフの方に自分のiPadを渡し、撮っていただいた。

「あのぅ・・・時間がないんで」とお付の方から言われてしまったので、握手をしてもらって、お礼を言いながら、お別れ。


この間、自分がどんな行動をしたか、全く覚えていない。
後ろで見ていた友人によると、
「シルヴィアを見つけて、慌てふためきながら、雑誌を取り出す(ボクの)リアクションが可笑しくてしょうがなかった」らしい。(^^;


申し訳なかったのが、往年の彼女の大ファンであった、もう一人の友人に全く気が行かず、自分だけ、いろいろしてもらったこと。
「彼は貴方の大ファンなんですよ!一緒に写真撮ってくれませんか?」と何故一言、言えなかったのか・・・(本当にゴメンナサイ!!)


「東京国際みたいにサイン会があるかはわからないけど、一応、何かサインしてもらう物を持って来たら?」と事前に友人たちにも伝えておいたので、自分も何か「目を引く」ものを持って行けば驚いてくれるだろうと、わざわざ古めの雑誌をチョイスして来たので、想像していたことが、そのまま現実になってしまって、もう興奮しっぱなし!!


21時を過ぎていて食事をする所が限られていたが、偶然見つけたアケード内二階の小龍包屋で遅い夕食。
食べていても、しばらく体の震えが止まらなかった。
あ、ここのお店、非常に美味しかったですよ!!
<上海湯包小館 西銀座店>




11月29日(日)17:00〜 有楽町朝日ホール
東京フィルメックス 「念念」 119分


シルヴィアさんの監督作ってことで買ってみた。
彼女が監督してる映画は何本か見てるけど、ロマンスものが多いってイメージがある。


序盤少し人物の関係性がわからなくて戸惑ったけど、最後はホロっとさせるような展開で、これも全くどんな映画かって知らずに見たんだけど、中々良い映画だった。


俳優もノーチェックだったけど、何処かで見たような?と思ったら、クーリンチェに出ていた男の子(柯宇綸)で、もう一人の主人公の女の子がなんと、イザベラ・リョン(梁洛施←気付かなかった!)で、彼らの母親がアンジェリカ・リー(李心潔)と、非常に豪華だったり。


映画の舞台となっているのが、なんと、ジャッキーの「炎の大捜査線」の原題名である「火焼島」。
この島のことを知ってもらおうと主人公がガイドを務めて、いろいろ説明する場面も非常に興味深かった。


今日の回はティーチ・インなし。


友人の某くんと「梅林」で食事をして、今年の映画祭を締めました。


フィルメックス・デイリーニュース ココ


この他に、蔡明亮監督の特集イベントで、思い出深い「青春神話」が上映されると言うので、行こうと思ったんだけど、スバル座だし、「ブルーレイ上映」とあったので、行くのを止めてしまったのでした。(^^;)


長々と読んでいただき、ありがとうございました。m(_ _)m



ー  劇 終  −