まさか自分が生きている間に、こんな世の中になってしまうなんて、思いもしませんでした。
映画祭も規模を縮小したり、工夫して、何とか開催したって感じですかね。
今年はこの時期まで、映画館には混み具合を見た上で、何度か足を運んでいて、映画祭はどうしようかと迷いましたが、換気もちゃんとしてるし、館内で人同士が喋らないし.....と言う理由もあり、一応は安心みたいな事がわかっていたので、思い切って、例年通り参加することを決めました。
大まかにまとめましたので、ご覧になって下さい。
「台湾巨匠傑作選」
10月11日(日)18:50~ 新宿K'sシネマ
「停車」107分 2008年
朝から整理券もらって映画見るの、何十年ぶりだろう?
開館10時少し前に行ったら、もうすでに 凄い並んでた。90年中頃の王家衛ブームを思い出したよ。正直ビックリ。
一番目の方、一体何時から並んでたのかな?ちょっとした台湾映画ブームが来てるのかも……
2013年のTIFF「失魂」を見て、鐘孟宏(チョン・モンホン)にハマって、以前からどうしても見たかった一本。
やっぱり話題になっていた映画だったんだ。監督のファンもたくさんいるんだろうな。結果的に満席だったみたい。
面白かった。
もうちょっと過激でも良かったんだけど、このテイストが次の作品に繋がって行くんだね。
もう一度、「一路順風」や「大佛+」なんかも見たいなぁ。 アジパラさん、江口さん、鐘孟宏特集をぜひ!!
10月13日(火)18:50~新宿K'sシネマ
「古代ロボットの秘密/奇人密碼 古羅布之謎」103分 2015年
音が良かったかな。
やっぱり全編台湾語じゃないの、違和感あるね。
通常の霹靂作品のような派手さを期待してたんだけどな。ちょっと残念。
それと、ロボットの阿西くんね、もっと変形するとかしないと。カラーリングがアイ◯ンマンみたいなの。敵のバトルフィーバーロボみたいな方が、カッチョ良かったぞ。
エンディングのメイキングに黄強華さんが映ってたけど、ちょうど20年前のファンタで「聖石伝説」上映前に挨拶された時は、ずーーっと熱い思いを語られてましたよ。 本編もディレクターズカット版で、パンテオンの大画面、大音響で見れたのは本当にラッキーだったなぁ。
(参考)20年前のファンタのレポート
http://www5a.biglobe.ne.jp/~yoshiji/page28.htm
上映後の江口さんの解説が終わった後、会場から拍手が……本当に素晴らしくて、自分も思わず大きく拍手してしまったよ。
映画が終わって、バスターミナルの方まで歩いて来たのに、「21時ラストオーダーです」と言われてしまった。二・三品食べて帰りたかったのに・・・
一応、このイベントでは、この2本だけ。他に「盗命師」ってのも気になったんだけど……次回機会があったら、見てみよう。
「2020東京・中国映画週間」
2016年から4年ぶりに、TOHOシネマズ日本橋にて。
相変わらず「やってる感」は感じられず、ポスターの告知のみ。
ここに来るのも、地下鉄の乗り継ぎなんかで、多少めんどくさい。
出口を登り切って、ちょっと迷ったもん。
自宅から、40分ほど。今年はシネマイレージが付かないんだね。
10月27日(火)19:40~ TOHOシネマズ日本橋スクリーン6
「誤殺~迷える羊の向かう先~/誤殺」 112分
全く何の知識もなしに見たけど、こうゆうのがあるから、侮れないんだよ。この映画祭は。近年、TIFFなんかより、この映画祭で見る本数が多いかも。
HPの紹介には書いてなかったんで、驚いたんだけど、オープニングからいきなり、姜皓文(フィリップ・キョン)が出てくんの。 それと、秦沛(チョン・プイ)さんとかね。香港関係の役者も出てますよ。
でもね、この映画は陳沖(ジョアン・チェン)!!鬼だよ!!鬼!!
エンドロールで主人公の名前が一瞬、「李連杰」と見えたんで、会場から「えー!」と(聞こえたような)。
パンフレットを見たら、「李維杰」となってた。(パンフレットは、1,000円。袋代10円)
それと、副題に気付かなかった。(後でよく見た)
字幕の「画」「直」の文字が違った字体(?)だったような。 字幕が少し大きめだった。(これは助かりました)
相変わらず、本編が流れるのに、10社ぐらいの紹介があった。
一席ずつ間隔を開けて、前の席もずらしてるから見やすかったし、割と大きな劇場で、大きなスクリーン、音も凄く良かった。
他の映画祭もFilmexも、ココでやれば良いのにと。
中国の映画館で見てるのと変わらないんじゃない?って感覚。 来て良かった!
22時を越してしまったんで、遅めの夕飯は定番のここで。
今日見た感じだと、劇場の環境が良かったんで、明後日の「京劇映画 大暴れ孫悟空」ってのも、楽しめるかも。久々に一日3本に挑戦してみようかな。
10月29日(木)11:40~ TOHOシネマズ日本橋スクリーン6
「京劇映画-大暴れ孫悟空/大鬧天宮」 102分
結局、チケットを取ってしまい、今日は一日3本見ることに。
お客さんは、10人ちょっと。
前横全部空いてるし、ど真ん中で大スクリーン、大音響で心地良かった。
最初は全く興味が沸かなかったけど、ちょっと異色な感じがしたので、こうゆう機会なんで。
題材的にもっと退屈するかな?と思いきや、役者さんの立ち回り、演技、また衣装が素晴らしく、最後は小さく拍手をしてしまった。思い切って、見に来て良かった。満足。
次まで時間があるので、持参したサンドイッチを、ロビーでこそこそと。
館内のレストラン、メッチャ高いからね。セーブしないと。
10月29日(木)19:40~ TOHOシネマズ日本橋スクリーン6
「リメイン・サイレント/保持沈黙」 96分
唯一、知ってる俳優が出てたんで、最初にチケット取りを決めた一本。
呉鎮宇(ン・ジャンユー)と、周迅(シュウ・ジン)、二人とも広東語と北京語を交えて。周迅の広東語は生声だったけど、元々、上手なんだよね。
ストーリーは、どんでん返しの連続で、「え~~っ?!」っと。
自分的にはちょっと……だったかなと。
ネトフリとかの動画サイトに載りそうな一本でしたかね。
10月29日(木)19:40~ TOHOシネマズ日本橋スクリーン6
「陰謀の渦/鋌而走険」 103分
知ってる俳優も出てなかったし、何も知らないで見たけど、字幕付きで見れて良かったと思える映画だった。
もう他ではやらないんじゃないかな?
何処かで何回も見たような内容ではあったけど、全体的に無骨な感じで、かつエンタメ性もあって、凄く楽しめた一本だった。
かなりエンタメなんで、横文字のタイトルで良いかも。
残念だったのは、スクリーンがフルじゃなくて、両脇に縦線が入ってて(自分が一番嫌いなパターン!)、かつサイズが合ってないようだった。そう言った素材だったのかな。音響は良かったんだけどなぁ。
3本寝落ちすることなく、途中トイレに行くこともなく、任務を遂行しましたですよ。
毎年、話題作や中々面白い映画があるのに、特に盛り上がらずに終わってしまうのは、本当に勿体ないと思う。
あまり宣伝しないし、触れ込みもイマイチ。
「中国で大ヒット!」とか「今一番人気の俳優が主演!」とか、全く知らない映画ばっかりだから、大まかなうたい文句でも良いと思うんだけどな。
専門の宣伝会社や、ライターさんとかに依頼したら、全然違うんじゃないかと。
TOHOシネマズ日本橋……って映画館は、めったに来ないけど、銀座線の三越前駅を利用する場合は、ここの奥のエスカレーターを使えば、真ん前に出るんだね。このタイミングで初めて知った。
お昼はセーブしたんで、帰りは銀座で降りて、久々にここで。
第21回東京フィルメックス
11月2日(月)18:50~TOHOシネマズ シャンテ
「無聲」 104分
この日は雨がパラついてたんで、車で日比谷まで。
第一回から参加してるフィルメックスだけど、毎年11月末開催なのに、時期が少し早め。調べたら、今年は東京国際映画祭の一環として、行われるんだそうな。
このイベントも、どうなるか心配したけど、ラインナップを調べたら、いくつか気になるものがあったんで買ってみることに。
10月の台湾映画のイベントの流れもあって、現地の「最新作」が上映されると言う情報だけで見たんだけど・・・
この映画祭は、有楽町の「朝日ホール」がメインの劇場。
自分は見てるとお尻が痛くなるんで、ここには極力行きたくない。
調べたら、朝日ホールは座席をずらして上映するとあったんで、行って見たら、シャンテの方はビッシリ!!ほぼ満席!!
ロビーで皆さん、密で談笑してるし、映画館の内でも喋ってるので、開演ギリギリまで、ロビーの端の方で待機。上映中に時折、咳き込む人もいたんで、やっぱり席数を減らして欲しかった。G列は関係者席だったのか、かなり空いていた。そして、映画祭をやってる感は全くなかった。
映画の方は・・・
何の情報も入れないで見たが、想像を超えるキツさだった。
こういったXXな事がいろんな所で起こってるのかなぁと思いながら見ていて、上映中、ずーーっと苦しく、とても悲しかった。
泣き出しそうなくらい。辛かった。こんな事は初めてかも。
上映終了後、監督とのリモートQ&Aがあるとは知らず、帰られてしまうお客様が多数。数分後に案内あり。勿体ない
印象に残っているものとしては・・・
「今日皆さんが見たエンディングは、撮影終了後、編集中に思いついて、半年後に俳優を集めて撮り直している。まだ事件は終わっていない。暴力は終わらないと言うこと。」
エンディングも怖かったなぁ。 他にはキャスティングやスポンサーに関して。
帰っちゃった人、やっぱり損したよ。
上映後のQ&Aは朝日ホールだと、いつもアナウンスがあったと思うんで、次回から。
非常に興味深かった、監督とのリモートQ&Aはこちら。(一部抜粋したものかな?)
一応、劇場の音響は良かった。
関係はよくわからないけど、大阪アジアン〜とかでもやってあげて欲しいなと。
Filmexのパンフレット、1,500円。袋代10円。 思わず、「え?高っ!」と。
映画が21時ちょうどに終わるとあったから、わかってはいたものの、一応「もう終わりですか?」と店員さんに聞いて見た。 2、3品で良いから、ちょっとだけ食べたかった。 やっぱり大勢で行った方が、たくさん食べれるから、その日までもう少し我慢かな。断られたの、二回目だな。
11月4日(水)21:20~ ヒューマントラストシネマ有楽町
「七人楽隊」 113分
ようやっと、香港映画。
東京も寒くなったなぁ。さすがに手袋してる人はいないけど、自転車乗ってると必要かも。
地下鉄で来る時に、シャンテを探したら、偶然にこんなものを見つけてしまった。ここにあったのか。
この日は、大阪からMさんが参戦すると言うので、映画博士のMくんにも連絡を入れ、映画の前に三人で(三度目の正直の)「添好運」日比谷店にて。
全種類制覇とは行かなかったけど、デザートまで美味しく。 ちなみに数人での会食は、3月以来。飲茶も去年の末以来。 やっぱり、中華はたくさんじゃないと!またやりましょう!
食事が終わって、Mくんはチケットを取らなかったと言うことで、劇場前まで一緒に行って、お別れ。いつも付き合ってくれて、ホントにありがとう!!
ここの劇場は、初めてじゃないかな。来た記憶がないんだけど。
映画の方は、もうホントに素晴らしすぎた。
香港の七人の監督(洪金寶、許鞍華、譚家明、袁和平、杜琪峯、 林嶺東 、徐克)のオムニバス映画。
久しぶりに「香港の映画」を見たって感じ。
これから、他の映画祭とかで、たくさんの香港映画ファンに見てもらいたいと思ったよ。
出来るなら、映画祭の締めに見たかった。 自分もやっぱり「昔の香港」が良いな。
譚家明さんのパート…… 「あれ?レスリーっぽくない?」って突っ込んだよ。心の中で。 なんか撮り方といい、台詞といい、雰囲気といい、誰が監督かすぐにわかったよ。内容はさっぱりだったけど。
かなり長かったエンドロールを一生懸命見てたんだけど、サモハンのパートの執行導演で、洪天祥(ジミー・ハン)がクレジットされてた。 男三兄弟の中で、日本語がペラペラな子がいるんだよ。次男坊の彼だったかなぁ?
11月7日(土)19:50~ TTOHOシネマズ六本木 スクリーン9
「強くて弱い女たち/孤味」 123分
映画の前に、リニューアルされた六本木駅地下のアーケードに、大好きな「だし茶漬け えん」が復活してたんで、久しぶりに。
いつものハーフ&ハーフを。販売機で、ご飯(少なめ、普通、多め)が選べるようになっていた。
映画の方は、事前にネットの評判を見ていたけど、その通り、とても良かった。
お母さんの「激動」の物語って感じかな。
派手さは全くないけど、最後にジーンと来た。
男の自分にはわからない感情みたいなものが、女性の彼女達にはあるんだろうなと思った。
あのお孫ちゃん、今週見た「無聲」の主役の子じゃないか!
陳姸霏って言うんだね。まだ20歳。台湾では若手の注目株なのかな?
ちょっとわからなかったのは、シンガポールから来た、ご懐妊中の晴眉さん……あの子は苦しまなかった、3番目のお姉さん、何家が来た時(お母さんは)引きこもちゃったとか、いろいろ情報があったけど、里子または養女に出されたって事なのかな?
※ 監督とのリモートQ&Aで、「経済的に苦しくて、養子に出された」とのことです。
ビビアン(徐若瑄)も全く変わんないなぁ。45歳だって。
クレジット見てたら、この映画のプロデューサーも兼ねてるそうな。 で、帰りにパンフレット買って見たら、ラストの歌もビビアンが歌ってるんだって。
「のむコレ2020」
11月18日(水)18:45~ シネマート新宿 スクリーン1
「ホワイト・ストーム/掃毒2」 99分
このイベント、おそらく初めてじゃないかな?
この映画も12月にDVDが出るって知ってたんだけど、大きな画面で見た方が楽しめる映画だと思ったんで……それと香港のアクション映画に飢えてたってこともあったから、この情勢の中、思い切って参加しました。
こうゆう容赦ない、徹底して無慈悲な「ザ・香港映画」を見たかったんだよ。 秋の映画祭でも見たかったけど、やっぱり別枠かな。 大きなスクリーンで大迫力!大満足!!
地下鉄のカーチェイス、セットとは言え、凄いよなぁ……
来場者特典の限定チラシをもらいました。
~ 編集後記 ~
冒頭にも書きましたが、本当にいろいろ大変な年になってしまいましたね。
今年は台湾映画を中心に見ましたが、自分の(勝手な)感覚から言うと、ここ10年ぐらいで少しずつ盛り上がって来たような感じです。もちろん本国ではたくさん作られてたんでしょうけれど、日本の青春ドラマやホラーのようなものばかりの印象で、正直、避けていたと言うのが本音です。
で、今回数本見て来て、ジャンルも多様だったし、お客さんの反応も見ていると、かなり良い雰囲気だなぁと思ったんですよ。とは言っても、一気に公開が決まるとかではないでしょうから、徐々に面白さが広まって行けば良いなと。
肝心の香港映画ですけど、もう大陸資本が入ってるとかは当たり前ですから、以前のように「広東語じゃなきゃダメ!」って言うのは無くなりましたかね。純酔な中国映画だって、今回の映画祭のように面白い作品はたくさんありますし、若い監督さんも出て来てますから、それはそれで魅力的だと思いましたよ。
来年も、まだこんな感じで注意しながらの開催でしょうかね。
ちなみに、一応、11月中は健康状態に変化はありませんでした。
最後に、後日談ですが、11月21日に行われた「第57回台湾金馬獎」で、「強くて弱い女たち/孤味」で母親役を演じた、陳淑芳さんが、この映画で最優秀主演女優賞、「親愛的房客」と言う映画でも、最優秀助演女優賞を獲得し、ダブル受賞をされました!恭喜!恭喜!
~ 劇終 ~