秋の映画祭レポート 2014

今日で当HPも、丸15年になりました。


何だかんだ、騙し騙しやっておりますが、今後ともよろしくお願い致します。m(_ _)m


毎年恒例の映画祭ですが、人によってはいろいろ見たい映画があるんでしょうけど、香港関係のものしか興味の無い私にとっては、参加する意識が年々薄れて行っている感じです。


以前は出かける準備をしているとワクワクしたもんですが、大作、話題作が上映になっても、ゲストも来ないし、ティーチ・インもない。
香港映画に関しては、何故にこの映画?もっと面白い映画あるんじゃないの?って。
格式張らずに、もっとエンタメ寄りの映画を上映してくれても良いんじゃないの?とも思います。


そんなワケで、今年は3本だけ。
どれも数時間後には、とりあえずの予定数は完売したみたいですが、受付開始直後からアクセスして、無事、段取りよく取れました。


簡単に残しておきます。




10月24日(金)19:30〜 TOHOシネマズ六本木 スクリーン2 179分
「黄金時代」





アン・ホイ監督の最新作。
とある小説が題材になってるそうだ。
こういった話で180分は本当につらい。
途中トイレに行くことも考えて、一番端を選びたかったのだが・・・


主人公の小説家がタン・ウェイ(湯唯)だったんだけど、途中まで誰なのか気付かなかったって言うぐらいに地味な役だった。その他の役者も全然知らない人ばっかり。向こうでは有名な人なのかもしれないけど、自分は知らないしなぁ・・少々退屈だった。


やっぱりこういった映画こそ、、ティーチ・インをやるべきだよ。
詳細な紹介してもらって、そこから中国文学に興味を持ってもらうとか、上映するだけじゃ意味がないんじゃないの?


主人公については、通訳・翻訳家で活躍なさっている、水野衛子さんのブログを参照。ココ


そう言えば、久しぶりに来て見たら、映画館下の「香港茶樓」が閉店していた!(≧∇≦)
ここでシルビア・チャンに会って握手してもらったっけ……
しかし、メチャ高くて、行ったのは3回ぐらいしかない。



10月25日(土)14:55〜 TOHOシネマズ 日本橋 スクリーン7 92分
「GARM WARS The Last Druid」(ガルム・ウォーズ ザ・ラスト・ドルイド






製作開始の話を聞いて驚いたのが、確か二年前ぐらいだったと思う。


パイロット版を見たのが、1997年ファンタの「バンダイビジュアル」特集上映だったのだが、その後、企画が頓挫してしまい、もう見れないと思っていたこのパイロット版は、2001年同映画祭の押井守監督のトークショーで再上映された。(2種類)


その席上で「いやぁ〜今見ても良いねぇ〜!ボクの映画は『お月さん』の映画が多いんだよね。」とコメントされていたのが印象的だった。
※ 中国のサイトで少しだけ見れます。ココ



来たことはなかったが、一番大きな「7」での上映だったので、最後列よりひとつ前の列を選択。
初めて来たけど、メチャ大きい劇場だな。普段、日本橋でこんな大きなトコ、埋まるのかな・・・


上映前に監督とプロデューサーが登壇。これまでの経緯を説明。(ちょっと笑ったけど)
作品については「監督の頭に宿った妄想をそのまま実写化したもの」らしい。ココ


実写とアニメ(CG)の融合をした作品ってのが、当初のウリで、それが凄く良い味を(パイロット版では)出してたんだけど、20年近くも経っちゃうと、やること(やりたいこと)も変わっちゃうんだろうな。
頓挫した後に実験的に作った「アヴァロン」を見た時に思ったけど、「どうして純粋にアニメを作らないのか?」って感じ。


肝心なのは、技術とかではなく、中身。
何だか登場する人物(種族)とかが多くて、ストーリーも複雑でワケがわからんし、こうなると見てる方は混乱するよ。映像的にもそんなにサプライズはなかった。監督の信者みたいな人には良いかもしれないけど、普通の映画ファンには正直ツライかも。


思ったんだけど、押井さんとツイさん(徐克)の作家性って、似たようなトコがあるんじゃないかと……m(_ _)m


早く出てジムに行きたかったんだけど、プレミアなんで中座するのを我慢。
エンドロール後、明かりが点いたら、二列前で監督も一緒に鑑賞されてました。(一応拍手はしたけど)


長年楽しみにしていた作品だけあって、本当に残念の一言でありました。公式HP



10月26日(日)17:20〜 TOHOシネマズ六本木 スクリーン5 121分
「ミッドナイト・アフター/那夜凌晨,我坐上了旺角開往大埔的紅VAN」



陳果(フルーツ・チャン)最新作。(笑)
公開当初、タイトル名は聞いたことがあったけど、どんな映画か全く知らなかったし、申し訳ないけど、あのフルーツ・チャンって、まだやってたの?って感じ。


正直ビックリした。こんな映画だったんだ。
CGを使ってたりして、結構凝ってるなぁなんて思いながら見てたけど、結局何がどうなって、こういった状況になってるのか、わからず終い。ネットで読んだら、小説があって、その始めの方を映画化してるんだとか・・・


なんでこんな映画を持って来るんだよ。作家性みたいなもんは認めるけど、途中で終わるような映画を上映するなっての。その理由みたいなものも聞きたかったし、皆さんだって、質問したいことが絶対あったと思うんだけどな。全く何だかなぁ・・・



10月28日(火)20:00〜 TOHOシネマズ 日本橋 スクリーン7 121分
「ミッドナイト・アフター/那夜凌晨,我坐上了旺角開往大埔的紅VAN」


全くどんな映画かわからなかったから、一応キープで取っておいた。(汗)
始めからこんな映画だって知ってたら、取らなかったよ。


しかしながら、香港映画が日本橋のスクリーン7って、一番大きな劇場でやるって言うことで、せっかくだし、半年前に来た時に気になっていた「プレミアボックスシート」(+700円)ってものを体験しようと、こんな映画で散財をしてしまう。


香港映画をこんなXXデカいスクリーン劇場で見れるってのは本当に貴重な体験だと思う。とは言っても、映画自体の印象は変わらない。


今の香港の情景を見れたのは、何だか嬉しい気もしたけど、結局、あのユキちゃんのホラーぶり、ガスマスク団、赤い雨……いちいちわからん事ばっかり。小説には詳細が書いてあるんだろうか?続編は?と言うか、なんでこの映画?って感じ。選んだ人の話が聞きたいよ。上映するだけで終わりってのもなぁ。


「プレミアボックスシート」ってものは初体験だったけど、これは凄いわ。
スペースがあって快適だし、隣が全く気にならなかった。どうせなら「黄金時代」をこれで見たかったよ。(^^;;


映画祭は今日で一旦、お終い。何だか虚しいな。m(__)m





11月28日(金)18:50〜 有楽町朝日ホール 
東京フィルメックス 「青春残酷物語」 Cruel Story of Youth  1960年 / 97分


前回もそうだったけど、香港映画が全く無い。
行くのを止めようと思ったけど、第一回から毎回参加してる映画祭だけに、アジア系の映画を見ると言う理由を(無理矢理に)付けながら、何とか続けて来たが、もう限界。(汗)


ツァイ・ミンリャン蔡明亮)とかもあったけど、去年、最後の作品と謳ってた「郊遊/ ピクニック」なんて意味がわからなかったから見る気もしないし、韓国映画もそのうち見れるだろうと言うことで、ここは思い切って、日本映画を選択。(汗)


大島渚の映画なんて、さっと思い浮かぶのは「戦場のメリークリスマス」ぐらいしか見てないけど、今回の「デジタル4K修復版」は今年のカンヌ映画祭でプレミア上映されたと言うので、これも古い映画に触れる何かのきっかけになればと(またもや無理矢理)理由を付けて見ることにした。


ギリギリに劇場へ入ると、3割ぐらいしかお客さんがいなかった。
上映前に賈樟柯ジャ・ジャンクー)が登壇、この映画に対する思い入れなんかを話していた。
中国語を→日本語→英語と通訳したので、15分程かかった。
調べたら、この監督、自分と同い年だったのか・・・


映画の方は、スクリーン下に英語字幕、右横縦に日本語字幕が入っていて、とてもわかりやすかった。
画質もショウブラの映画がリマスターされて映画祭で上映した時のように、鮮やかでキレイだった。
席も中央右を取ったけど、スクリーンが奥にあるので、やっぱりビミョーに遠く感じた。


余談だが、邦画を見ていると日本語で話しているにも関わらず、セリフが聞こえずらかったり、(声がこもって)聞き取れなかったりすることがよくある。DVDなんかで見る時は(入っていれば)日本語字幕で見ると、非常に見やすいのだ。



内容の方は、自分らとは掛け離れた時代で、よく歴史を振り返るテレビ番組を見たことはあるけど、全くピンと来ない。まるで日本じゃないみたいだ。東京であろう風景も、一体何処なのか全くわからなかった。建物、車、街・・・何もかもが現在と違い、察することさえ出来ないことに驚く。


最後も急にエンドクレジットが出て来たりなんかして、随分前に映画祭で見たショウブラの映画とかも、こんな感じの終わりだったけど、昔はこうゆうのが主流だったのかなと思ったり。


ウチの両親も当時18歳ぐらいの頃だから、こんな風な学生だったのかなぁ?と想像したりして。(汗)
古い映画を見るって機会も中々無いので、貴重な体験だったかなと。


終わると、21時を過ぎている。
パンフレットを買おうと受付へ行くと、終了後も「今回のパンフレット」だけは買えると言っていたにも関わらず、「すいません、もうお金も締めちゃってクローズなんです。」だって。


「もう一回ここに来なきゃいけないから、売ってくれないと困るんですよ」と切り返すと、
「1,500円ちょうどありますか?それなら大丈夫です。」って言うもんで、無事ゲット。


それから、帰りにトイレに寄ろうとしたら、
「大変申し訳ありません!21時を過ぎてしまい、閉館時間ですので、8階のトイレを使って下さい!」だって。


トイレの入り口を前にして、そんなこと聞いてられるかっ!
「すぐ済みますから、すいません!」と、強行突破させていただいた。


諸悪の根源は、ジャ・ジャンクーのスピーチが長引いたからだそうだ。(なんてこった!)



               ―  劇 終  ―