秋の映画祭レポート 2013

今日で当HPも、丸14年になりました。
毎日たくさんの方々に見ていただいて、本当に感謝であります!
今後ともご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます!!


随分遅くなりましたが、このタイミングで今年の映画祭レポートをアップします。(汗)
今年も数本しか見れませんでしたが、内容は充実しておりました。
備忘録として簡単にまとめておきます。


※ 尚、ティーチ・インの応答に関しては要約したものですので、参考程度にして下さい。またネタバレ等を含みますので、予めご了承下さい。



10月18日(金) 20:00〜
「リゴル・モルティス/死後硬直」 TOHOシネマズ六本木 スクリーン1 101分


スタートが若干遅めだったので(非常に助かるなぁ〜!)、映画関係の友人と事前に夕食を済ませて、一緒に鑑賞。スクリーン1って劇場もあんまり来たことないけど、スクリーンが大きくて驚いた!!


この映画の原題は「殭屍」。

そう、あのキョンシーですよ。
オシャレ系の俳優として活躍しているジュノ・マック(麥浚龍)が監督、そして、日本の清水崇監督がプロデュースと聞いて、どんな映画か気になっていたんだけど、事前にどんな映画だか知らないで見たもんだから、驚いたってもんじゃない!


何ってたって、オリジナルの「霊幻道士」のオリジナルのキャストが出てるんだから、もうビックリ仰天!チン・シウホウ(錢小豪)、アンソニー・チャン(陳友)、リチャード・ン(呉耀漢)...それに始め映った時にはわからなかったのだが、チョン・ファッ(鍾發)が!!


その他、80年代香港映画全盛期に活躍していた俳優も出演していて、香港映画ファンのみならず、ジャッキーファンなんかにも絶対オススメ!


ホラーは結構好きだし、画面もキレイで、ビジュアルもカッコ良く、セリフも少なめだし、こうゆう映画は大歓迎だ。
ちょっと衝撃を受けちゃったかな。まだまだ香港映画も捨てたもんじゃないぞと。


エンドクレジットには、亡くなったラム・チェンイン(林正英)、リッキー・ホイ(許冠英)への哀悼の意が入っていて、ジーンと来てしまった。
この2人が出ていたら、また違った展開になったんだろうと思うと、本当に残念でならない。



上映後にはジュノ監督のティーチ・インが。


7月末にポスト・プロダクションを終えたばかりの出来立てホヤホヤの新作。その後、ここまで2ヵ月半をかけて各国でプロモーションをして来たと紹介される。


ジュノ監督からご挨拶等。
バンクーバーで幼少を過ごしましたが、少々退屈な土地で映画ばかり見てました。いつか映画を作りたいと思っていて、芸能活動10周年で作る機会を得ました。」


「プロデューサーの清水崇さんにあったのはもう何年も前。ホラー映画ではあるけれど、『人の人生、忘却を恐れる』と言うのがこの映画のテーマなんです。ポスプロでは音響デザインと、公開になった後の配給のアドバイスをしてくれました。」


以下、Q&Aにて。


― 初めての監督で大変だったことがあったら、教えて下さい。


「監督すること自体が大変でした。また現場スタッフ70人と3カ月間過ごす訳ですし、ボクの履歴書の監督の欄は空白ですから、信頼関係を築くこと、また上手くコミュニケーションを取って行かなければならなかったと言うことでしょうか。」


「また独自の音を作りたいと思い、『ドアの閉まる音』は清水監督と私の二人の声をミックスした音です。」


「オリジナルの『霊幻道士』を見たのが、1983年ぐらいですから、ビデオテープの時代ですよね。あまりにもその印象が強烈に残ってるんです。脚本としては二本目になります。書いてる時に思ったのが、オリジナルの『霊幻道士』に出てる俳優はどうしてるのかと思ったんですよね。引退した方、亡くなった方、別の事業に乗り出して大陸に移った方、いろいろです。で、先ほども言いましたが、忘れられてしまうことの恐怖、みなさん50歳を越えていて、実際にお会いして、シワがとても美しいと思ったんですよ。そういったものはネガティブに思われるものですけども、とても人間らしいものだと思いました。」


「オリジナルはコメディ色が強いですけども、ボクはジョークが得意ではないので、ダークな方に重きを置きました。ファーストカットでは3時間ありました。2時間のディレクターズ・カットもリリースする予定です。」


― 好きなホラー映画は?


「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」、「テキサス・チェインソー・マサカー」、「エルム街の悪夢」などでしょうか。どれも子供が見ちゃいけない映画ですよね。(笑)その他に頭が爆発する映画(「スキャナーズ」のこと)がありましたが、「どうしてそんな事が起きるのか?」と言う理由について、とても興味が行くんです。


などなど。(超要約ですいません)


時間の関係もあって、質問はほんの2・3つで終わってしまったのだが、「この後も場所を変えて質疑応答します」と異例の対応。当たり前になって来たのかな?と言うか、香港関係は出たところで毎年サイン会やるしな。


下の広場に場所を変えて、握手・サイン会スタート。もう22時過ぎてるよ。

ちょっと寒かったけど、ジュノさんも嫌な顔せずに皆さんの質問に答えたり、写真撮影も肩を組んで対応していた。(好印象!)


友人と話をしながら、20分ぐらいを過ぎたあたりに自分の番になったので、いろいろ見た感想言いながら、質問を。いつもティーチ・インで通訳をやってらっしゃる女性の方が、一言一言、タイミングよく英語で訳して下さった。


― キャスティングは清水監督と決めたんですか?何故なら、清水監督も私たちと同じく香港映画を見て育っているので、好きな俳優さんがいると思ったからです。


「すべて自分の希望です。まさにドリーム・チームですよ!10人(?)選んだのですが、その一人一人が写っているポスターがあるんですよ。今回持って来れませんでしたが、DVDの特典に入れるつもりです。」


― 銭小豪の役は当初、許冠英を考えていたみたいな記事を読んだのですが…


「いいえ、もう一人別の役で考えてました。実は初稿で彼のことを書いていて、その翌日に亡くなってしまったんですよ!」


― リチャード・ンさんの起用について・・・


「コメディのイメージがあるけど、そういった人を全く違った風に撮りたかったんです。」



などなど、前に並んでいた方の質問では「撮影については、20%が野外(人が住んでいるマンション等)で、80%がセット」とのこと。


ちなみに、アクション監督は、谷垣さんのご友人でもある、黄偉亮(ジャック・ウォン)さん。


気に入ってしまったので、翌日も行く事に決めてしまった。
予備でチケットを取っておいて良かったなと。


「I'll be back tomorrow!」と告げてお別れした。
気付けば、23時を過ぎていた。



10月19日(土) 14:20〜
「リゴル・モルティス/死後硬直」 TOHOシネマズ六本木 スクリーン5 101分


今日は早めに出て、仮住まい先から電車で移動。
昨日は夜だったので、六本木駅通路や会場周辺を撮影してから会場入り。





劇場へ向かう途中のエスカレーターに乗っていると、後から乗って来たジュノ監督と目が合ったので、手を振ってもらう。
降りたところで、(何故か)一緒に乗ってらした清水崇監督から「こんにちは!」と声をかけていただき、ジュノ監督には「早晨!」と握手。


また劇場入り口で入場手続をしていると、「See you later!」とまた握手していただいた。


昨日見たばっかりなので(笑)、俳優の表情など、細かいところをチェック。
この劇場は横長なんだけど、中々スクリーンも大きくて好きなんだよな。それと昨日もそうだったけど、画面もキレイで音響が(大きくて)良かった。劇場のハード面が良いのか、それとも、今の香港映画の作り自体が良いのか・・・香港の劇場とは違った(汗)スマートな大きさと言うのかな。少し意図的に上げてるのか?とも思ったり。



上映終了後、ジュノ監督とプロデューサーである清水崇監督のティーチ・イン。




− (司会の方から)清水監督のファーストショットを見た印象は?


「ラピッド・ホラー」と言う映画をやってる頃にジュノを紹介してもらいまして、今度映画を作るんだと聞いてましたが、キョンシー映画をリメイクをすると言うので、「霊幻道士」なのか「幽幻道士」なのかわからなくて…(爆)コメディの要素が一切ないと言うので、こんな手法・ビジュアルなのかと、とても驚きました。実は初めからではなくて、製作の途中からオファーをもらいました。



Q&Aにて。


− 「キョンシー映画」は全部見て来ましたが、この映画の最後はよくわからなかったので、教えて下さい...
と、ド・ストライクな質問。オイオイと思ったが、これが実に興味深かった。


ジュノ監督より。
「この映画はこの2か月半で7か国で上映して来ました。各国でも反応が違うんですけれども、ボクの意図を話させていただくと、メインのキャストの内、お二人が亡くなっています。それも年は違いますが、同じ日にです。非常に運命を感じます。また存命であるのはチン・シウホウさんだけです。ちなみに彼は映画の中では荒んだ生活を送ってますが、普段は健康で幸せに暮らしてらっしゃいます。(笑)本当にこの方たちがキョンシーの世界を作り上げたと思います。劇中のシウホウさんの『死』というのは、ボクにとっての『キョンシー映画の一時代の終わり』を示しています。ですが、逆に新しい側面でもあると思うんです。この先、別の監督・キャストによって繋がるかもしれない。死ぬ前に自分のさまよっていた魂を取り戻した。だから微笑みながら死んで行ったということです。」


清水崇監督より。
「同じ質問を、上映した各地や午前中の取材でもされましたが、ボクやジュノは『それぞれのお客さんの解釈に委ねると言うエンディング』が好きなんで、それで良いと思うんです。また、死後硬直と言うのは『医学用語』でタイトルにもかかってるし良いなと思ったんですけど、『死する瞬間の走馬燈のようなこと』と『肉体的な死後硬直』と言う意味合いがあるのかなと思います。


続けて、ジュノ監督
「映画の中にオリジナルを思い起こさせるヒントがたくさん散りばめられていますが、それに気付く人もいればそうでない方もいますので、それは見ている方に委ねています。そう言った事は、映画の美しくも魔術のようなことだと思います。」



自分も数年ぶりに勇気を出して質問して見た。


― 先日ネットで、清水監督が「『五福星』を予習して来るように」と言っていた・・・との書き込みを見たので、復習して来た次第です。今日スクリーンで拝見しまして、何となく意味がわかったような気がしました。質問なのですが、『リチャードさんをキョンシーにしてしまえ』とジュノ監督に入れ知恵したのは、清水監督ですか?それから、今の香港映画は中国大陸での興行収入が非常に大きく関わってくると思うのですが、このままだと上映が出来ないように見受けられました。ある程度、編集を変えて上映するのか?以上、2点について教えて下さい。


ジュノ監督より。
「リチャード・ンさんは好きな俳優さんです。彼はコメディのイメージが強いので、今回は全員の役者さんにはイメージと全く逆のダークな人間的なキャラクターを演じてもらうことにしました。この中でも人間的で、また何らかの障害があって(それは老化なのかもしれませんが)そういったものに向き合うという役を演じてもらいました。」


「大陸での上映については、話し合いが進んでいる途中なので、まだどうなるかわかりませんが、中国では配給の可能性は無いとは言えません。もちろん編集も必要です。それはおっしゃる通り、検閲に引っかかる箇所をどうにかしなければいけないと言うことですよね。ですが、ボクとしてはこれは普遍的な映画で、誰に向けて、どの国の映画祭にために作ったとかではなく、何処にでも通用する映画として作ったワケです。監督としては、無傷のままで上映してくれれば一番嬉しく思いますけども、まだ可能性はあります。」




最後に、清水監督から「今僕は『魔女の宅急便』って映画を作ってまして、映画が終わった後にこんな反応だったらと思ったら・・・なんて考えちゃったんですけど(笑)、日本のお客さんはわりとこんな感じだから気にしないでね」みたいな問いかけに「自分もこの空気感を楽しんでます」とジュノ監督。


ひとつひとつの質問にゆっくり丁寧に説明するジュノ監督に対して、リズム良くユーモアたっぷりに答える清水崇監督が非常に好印象だった。
お二人とも明るい感じの方に見受けられたので、ジョークを交えて質問したのだが、ちょっと裏目に出てしまった。
もう少し和やかな雰囲気でいろいろ質問したかったなと。


上映終了後は、昨日と同じく、下の広場でサイン会。


昨日は深夜と言うこともあって、あんまり人がいなかったけど、今日は土曜の夕方と言うこともあってか、もの凄い人!
それに(香港人も含む)観光客も相まって、とんでもない行列に!!!



昨日はいろいろ質問できたけど、今日はちょっと無理そうな感じ。
サインと写真を撮ってもらうぐらいかな。


早いうちに並んだので、ほどなくして自分の番に。
清水監督に「先ほどは、くだらない質問をして申し訳ありませんでした」とご挨拶すると、「いやいや、こちらこそ」と言っていただいた。


「監督、コレどうぞ!」
と何かの話のネタになればと持参した、キョンシーのパンフレットを差し出すと、「オオォ〜!パンフレットだ!」とナイスなリアクションをしていただいた。(笑)


「ホンコン、NO(無い)!」とジュノ監督も興味深そうに見てくれた。
最後は「ドリーム・ホーム」のパンフにジュノ監督が写っている場面にサインしてもらい、両監督と一緒に写真を撮っていただいた。


帰ろうとすると、香港人らしき方に「これは貴方のコレクション!凄いわ!写真を撮らせてくれない?」とパチリ。聞くとジュノ監督のスタッフの方々だそう。(後日、フェイスブックにバッチリ掲載されていた。滝汗)


まだまだ質問したいことがたくさんあったけど(全部どうでも良いことだけど)、今日はそれどころでなかった。


サイン会後は、渋谷に移動して「おまかせ亭」で、Aくんと夕食。何だかんだで2時間弱。その足でジムへ直行。軽く汗を流して帰宅。


明日は午後から例の映画祭で2本。
会場は何年ぶりだかわからないくらいなので、調べて行かなくちゃ!自由席なのかな?





10月20日(日)
「2013 東京/沖縄・中国映画週間」
東京都写真美術館 一階ホール


ここに来たのは、本当に久しぶり!
調べたらば、2003年12月に開催された「ファミコン生誕20周年 テレビゲームの展覧会[レベルX(エックス)」と言うイベントに来て以来だった。そう言えば、この日も寒くて雨が降ってたような。(ボクは雨男なんだよね)



過去何回やってるか知らないけど、翻訳サイトで訳したようなXXな字幕で問題になっている、この映画祭。
もういい加減にして欲しいので、今年は行くのを止めようと思っていたのだが、毎年参加していることもあるので、事前に電話でいろいろ聞いてみたところ、中国人らしき女性が「今年は日本人の通訳の方にチェックしてもらったので、大丈夫です」との返事が。


それならと、一応2本だけチケットを事前に購入しておいた。


到着すると、ロビーにはまずまずの人だかり。
中国人らしき方がたくさんいるなぁ。


座席数は190席だそうな。
前売りを持ってると、当日券とは違った早目の整理券をくれた。全席自由席。
ちなみに、去年当初は無料で配布していたにもかかわらず、後日一部500円で売られていたパンフレットは、今年は無料だった。(笑)


前売りを買っていなかった友人のAくんが、「当日チケットが買えたら行きますので」と連絡をもらったので、受付で聞いてみると、随分と余っていそうだったので、夕方からの2本分を購入して連絡を入れる。自分も最終回の映画は見る予定は無かったのだが、付き合いで見ることにした。これで1日3本決定だ。(笑)全部大陸色全開のような映画ばっかだ。大丈夫か・・・


13:30〜
一本目は「北京ロマンinシアトル/北京遇上西雅图」 123分
早めに入れたこともあって、一番後方中央の席。舞台が広めので、若干奥行きがあるかも。これだったら、前の席でも問題なさそうだ。
「ラスト・コーション/色・戒」のタン・ウェイ(湯唯)が出てるってことだけしか知らなかったけど、これが中々面白かった。メグ・ライアントム・ハンクスの「めぐり逢えたら」ネタも上手く交えていて、所々で泣いちゃったよ!(笑)ツイッターで後日教えてもらったのだが、医者役で、テレサ・リー(李綺虹)が出てたんだ。気付かなかった・・・


終わってから、遅めの昼食。おにぎり2つを頬張っていると、Aくんから電話。
「今ロビーにいるんですけど、どちらですか?もうお客さん入ってますけど・・・」


あ〜〜〜時間を間違えてしまった!
早めの整理番号をもらってたのに、最後あたりの入場になってしまった!!それも一番の人気作品でやらかしてしまった!!
Aくん、申し訳ない!!


16:10〜
アメリカン・ドリーム・イン・チャイナ/中国合伙人」 112分
結局、Aくんとは席がバラバラになってしまった。
劇場に入ると、「どうもご無沙汰です!」と数人の方から声をかけられる。


さすが、ピーターさんの映画だけあるな。8割方埋まってたんじゃないか。


とりあえず、席は前から二番目の列中央を確保。目の前の席にまたもや飯星景子さんが座ってらっしゃった。(汗)


どんな映画なのか全く知らなかったんだけど、これまた難しいんだわ。知ってるのは黄暁明(ホァン・シャオミン)ぐらいだったし、今回はホント地味な役。最後のエンドロールで流れる映像を見るに、実際の人物を参考に作ってるみたい。英語塾の経営で成功されてる、向こうでは有名な人なのかな?と。ちょっと詳しい方の説明が必要が欲しいぞ。でも何でまたこんな社会派の映画を作ったんだろう?全編北京語だったけど、香港での上映はあったのかな?あってもヒットしなかっただろうなぁと言う内容だった。


この回の上映で気になったこと。同じ列の端の中国人らしきお客さん、上映中、ずーーーっと携帯やってたよ。周りの人、気になったろうなぁ。


誰か注意しないのかね?
ボクなんて、この回で座った途端に後ろの人から「すいません、映画が始まったら、帽子取ってくださいね」って言われたもん。でも当然のことだよ。終わって出て来たら、Aくんからも「撮影してた人がいましたよ」って聞いて驚いた!!一時期のファンタじゃないんだからさ!(笑)マナー悪いわ。XXの人!!


18:40〜
さぁ、最後は「ロスト・イン・タイ/人再囧途之泰囧」 105分


ポスターを見るに、大陸色の強いベタベタなコメディ映画っぽいぞ。
Aくんいわく、大陸では、ジャッキーの「ライジング〜」を抜いた大ヒットした映画なので、気になっていたんだとか。紹介文にも「中国映画の興行収入記録を更新した映画」って書いてあるもんなぁ。


主役の3人は恐らく初見。
面白くなくはなかったけど、ちょっと長く感じたかな。
それなりに(ワイヤーを使った)アクションなんかもあったけど、正直ちょっと退屈した。これが広東語で香港の俳優だったら、見れたのかも。(そうゆう問題じゃないか)


後で知ったことだけど、劇中おかっぱ頭でアクションをやってた、王宝強 (ワン・バオチァン)って人は、ドニーさんの新作「冰對侠」の相手役だし、黄渤(ホァン・ボー)って人は、シンチーの最新作「西遊」や、台湾版「101回目のプロポーズ」の主役だったんだ・・・勉強不足ったら、ありゃしない!(汗)


この回でも前の席で親子連れが座ってたけど、子供が上映中、大きな声で喋ってたり、グズったりしてるのを全く注意しないでいた。目障りだったわぁ。


この映画祭、去年の日本語字幕は本当に酷かったけど、今回はまともになっていて、安心して見れた。(本来それが普通だけど)
特に大きな問題は無かったが、多少の脱字あり。また、長いセリフになると途端にスピードが早くなったり、一行しか字幕が入らないようなので、長い文だと非常に見にくくなる。二行にすれば問題なし。何とか改善していただきたい。(あともうちょっと!)


帰りは、タクシーで中目黒へ移動。
馴染みのパスタ屋でAくんと遅めの食事を取り、電車で帰宅。本当にお疲れ様でした!!




10月22日(火) 17:10〜
「激戦」 TOHOシネマズ六本木 スクリーン2 116分


ネットのニュースでは聞いていたけど、今現地で大ヒットしているらしい。
ほぼリアル・タイムで新作を見れるって言うのは、本当に嬉しい限り!「キョンシー」なんて、香港より先に日本で上映だよ!


何でも主役の張家輝(ニック・チョン)が肉体改造して臨んだとか。
監督が林超賢(ダンテ・ラム)だし、バリバリのアクション映画かと思ったら、そうではなかった。
アクションは一部で、どっちかと言うと「人間ドラマ」中心かな。今までの作品のようにドッと疲れるような感じとは違って、コメディの要素も多かったし、見やすかった。


びっくりしたのは、一昨日見た「ロスト・イン・タイ」でアクションをやってた、王宝強 (ワン・バオチァン)が成り上がりのセレブ社長みたいな役で冒頭に出て来た。あ〜やっぱり売れてる人なんだなと。


もう一人の主役でエディ・ポン(彭于晏)、この人は香港で見た「寒戦」にも出ていて、今人気のある役者だそうな。
あと、何処かで見たことあるなぁ〜と思ったら、彼の父親役が、ジャック・カオ (高捷)だった。エンドクレジットを見るまで、気付かなかったよ。(汗)


完全にアクション映画かと思っていたので、ちょっと面を喰らったけど、中々良い映画だった。
総合格闘技オクタゴンの中でのアクションは、撮り方が難しかったのか、ちょっと粗が出たような。しかし今は何でもかんでもヒール役は、安志杰(アンディ・オン)だよなぁ。(笑)アクション監督は凌志華と言う人だった。


六本木では二番目に大きい劇場と言うこともあって、席を後方に選んでおいたのだが、これが正解だった。スクリーンも大きく、今まで香港映画を見て来た中で、一番音響が良かったのかもしれないと言うくらいに、本当にダイナミックで凄かった!!画面から役者が外れているのに、外れた方向からちゃんとスパーリングをする音が後方左から聞こえて来たり、観客の声援、挿入歌なんかも素晴らしいとしか言いようがなかった。思わず付いているスピーカーを見回したほど。本来こういった環境で見れたら、印象も変わるんだろうなと。本当にハード面は大事なことだと痛感した。



上映終了後は、ダンテ・ラム監督のティーチ・イン。この監督を見るのは初めてかも。



― 監督は格闘技がお好きなようですけれども、主役の2人は経験があったのでしょうか?


私自身、MMAは大好きでよく見ていました。主役二人に関しては格闘技の全く経験がありませんでしたので、半年をかけてトレーニングをしてもらいました。ニック・チョンと言う役者はとても有名な俳優ですけれども、今回ああいった肉体を作るのに、9ヶ月かかりました。また劇中に出てくる役者の中で、何人かはMMAの経験者でしたので、そういった人間と絡むことによって、リアリティが出たのではないかと思います。格闘技のシーンは全部で10日間、3〜5台でいろんな角度から撮りました。」


― 何故今までとは違う、こういった格闘技の映画を撮ろうと思ったんですか?


こういった映画はずっと撮りたかったんですが、ご存じのように香港ではボクシングだとかこういった格闘技の映画はヒットしないんです。しかし、これまでのキャリアが認められて、ようやっと投資をしてくれるチャンスが来たんです。


― 主人公に肩を脱臼するクセがありましたが、実際何かヒントがあったんでしょうか?


この映画を撮るに当たって、いろんなMMAの選手にお話しを伺いましたが、実際に脱臼する癖みたいなものがあるらしいんです。そこがリアルだったと言うことと、またニック・チョン演じる主人公はいろいろ体にキズを負ってるんですね、ですからそういった事にひとつひとつ向き合って行かなければいけない。それでやっと立ち上がれると言う事なので、そのきっかけのひとつとして、とても意味のあるものだと思います。


― 私は「証人」と言う映画が大好きなんですが、その終わり方と随分と違うのですが、どうゆう意味があるのでしょうか?


ニック・チョンには今まで随分とたくさんの映画に出てもらっています。(この11年で4本)今まで彼にはいろんな経験を積んでもらってます。今回の作品はみなさんと同じようにキズを持っている、彼も以前の作品で(失敗して)キズを持っていると思うんです。つまり、『どんなに失敗した者でも、必ず努力で成功できる』と言うことを描きたかった。ですから、今までの作品と雰囲気が違うのかなと思います。


― サイモン&ガーファンクルの曲を入れた意味とは?


元々この曲を使おうとは思ってなかったんです。もっとテンポのあるような曲を使おうしたんですが、今回のテーマは中年の男性がもう一度立ち上がると言うことなので、その為にはいろんなことを乗り越えて行かなくてはいけませんし、そこに激励したり、元気を与えるような曲を使いたくなかった。むしろこういった曲の方が合うと思ったんです。それと元々サイモン〜は好きだったんですけれども、ポーランドの歌手がいろんな映画の主題歌をカバーしているCDを偶然聞きまして、それがオリジナルの雰囲気と全然違っていて良かったんですね。それが今回のこの主人公の気持ちと合っているように思ったんです。それとこの曲のリスペクトも含めて。



終わってからは、下の広場で恒例のサイン会。見に来ていたBくんと一緒に並ぶこと、約20分。
持って来た「ツインズ・エフェクト」のプレスらしきパンフレットにサインしてもらい、一緒に写真を撮っていただいた。
映画について質問せず、「このパンフレットは持ってらっしゃいますか?」「NO」とだけ会話した。(汗)





終わると、20時過ぎ。Bくんと中目黒の「キッチンパンチ」で遅めの夕食。お疲れ様でした。





10月23日(水) 10:45〜
「激戦」 TOHOシネマズ六本木 スクリーン7 116分


今日は朝からスクリーン7!!
なんと日本一大きなスクリーンで香港映画の最新作が見れるとは!!
いつもここで見る時は最後列の端を選択するんだけど、今日は後方中央にして見たのだが、昨日と同様に音響も(大き目で)良く、本編も内容がわかってるから(笑)じっくりいろいろな所も見れたし、本当に良かった。


今日気付いた点は、アクション監督の凌志華がクレジットを見たら、「警官役」で出ていたらしい。
本人自体知らないから、ちょっとわからなかったけど・・・それと、マカオで2人でバイクを乗るシーンがあるのだが、ちょっと「ローマの休日」ぽくて笑ってしまった。(笑)


本編が終わると、すかさず前列の端に移動。
次の映画まで時間がギリギリなので、Q&Aが終わったら、すぐに出れるように準備。
監督には大変失礼だけど、昼食を取ってる時間も無いぐらいなので、Q&A中に買って来たおにぎり2つを頬張りながら、拝聴することに。(滝汗)


― 男性二人の起用について、また女の子(クリスタル・リー/李馨巧)の演技が良かったのですが、彼女について。


ニック・チョン(張家輝)については10年来の友人ですし、しょっちゅう会ったりして、いろんな話をしてますので、彼だったらどんな役が良いだろうと考えて、ストーリーを作っています。それに出来るだけ良い役にしてあげようと思っています。
エディ・ポン(彭于晏)は精神的にがんばる俳優だと思います。こういった映画ですから体力・精神力がなければいけません。実はこの前の映画で体操選手の役をやっていたのを知っていたので、それで起用しました。
女の子に関してですが、実は二年前に一緒に仕事をしておりまして(「逆戦」)、マレーシアの子です。才能のある子だなと思っていたのですが、その時には出番が少なくて、ただその時に印象が強かったので、今回彼女を入れたらどうなるだろうと考えた時に、絶対にこの子で行ける!と思ったので起用しました。


― ご自身の映画はヘビーなバックグラウンドを持ってる役が多いのですが、今回は楽しんで作っているように思いました。思ったんですが、監督って「S」ですかね?(笑)


香港のスタッフ、俳優からは「S」ではないかと言われました。(笑)
撮影中、スタッフは過酷な撮影現場で大変な思いをし、俳優は重い過去を背負って、精神的に負担が大きい中で仕事をしなければいけない訳です。撮影期間も長い中で監督からの要求も高いですから、そう言われるのかもしれません。ちなみに10年来、私の脚本を書いているスタッフがいるのですが、彼は精神的にハゲました。(笑)


― オクタゴンを使っての撮影で苦労したことなど。


今回ボクシングのような格闘技ではなく、MMAだったので関節技を入れたりするんですが、裸ですから普段使うプロテクターが使えなかったので、撮影するのに非常に躊躇しました。いかに安全にリアルに見せるかと言うことに苦労しました。また俳優さんたちは格闘技の経験がないものですから、どんな格闘技にしようかと考えてMMAにしました。で、本当に本人に闘ってもらおうと。(笑)リアルさを出すために、実際に試合に出てる方を呼んで出てもらいました。ですから今回カメラマンさんは映画を撮っていると言うよりも、「記録映画」を撮っている感じだったのではないでしょうか?俳優さんは毎日100回ぐらい殴られていると思います。最初は半分ぐらいの力で殴っていても、興奮して段々と力が入ってしまうのか、二人とも結構アザを作っていました。」


― (香港人らしき方から広東語で質問)この映画を撮る前にパート2を作ることを考えていましたか?ニック・チョン自身は「そんな事はありえない!」と言っているらしいですが、監督が説得する可能性はありますか?


撮る前に続編を作るってことは大体考えないんですけれども、映画はそのストーリー1本で完結させたい。かつて「証人」と言う映画が大ヒットしたので、いろんな方から続編を作ってくれと言われましたが、やはりそこで完結しているので作りませんでした。その代わりに、同じスタッフ・俳優で「密告・者」と言う映画を作りましたが、同じ話ではなく、映画の中で話ができる、心が通じ合うことが大事なのであって、その話を引き続き延長させると言うことはあんまり考えていません。この「激戦」の続編は考えましたが、今言った通り、全く違う話であれば考えられると思います。ですが、おっしゃる通り、ニック・チョンさんが嫌がっておりまして(笑)、この年になってまた9ヶ月も地獄の生活を送るのは嫌だと。もうすでに彼は肉体改造までしてるので、この役に対しては満足しきってるんですね。ですから、この役をもう一度するパワーがあれば、別の映画に使いたいと考えていると思います。



しかしまぁ〜スクリーン、ちょっとデカ過ぎたすぎたかも。(笑)
イベントで「プロジェクトA」をここで見た時も思ったけど、作品に応じて、適当なサイズがあるんだなと。SFモノとか見るには良いかもしれないけど、今回はドラマ中心の映画だしね。


思っていたよりも若干早く終わったので、トイレを済ませて出て来ると、映画関係の友人が会社の先輩と一緒に見に来ていたそうだ。
「映画面白かったよ。内容は『ロッキー』みたいだよね。音響は自分たちには丁度良かったけど、スクリーンはデカすぎたかも」と言っていた。(笑)「証人」のクリアファイルを持参したと言うので、これからサインをもらいに並ぶんだとか。(ちゃんと、もらえたらしい)


映画があるので、友人とはここでお別れ。


この後のサイン会は、すぐに次の映画が始まるのでパス。
昨日もそうだったけど、「証人」の(女性)ファンが多いみたいだった。


その他インタビュー、「映画の森」さんのHP ココ




13:25〜
「失魂」 TOHOシネマズ六本木 スクリーン5 112分


次の映画は、販売開始であっと言う間に売り切れてしまった「失魂」。永らく映画には出ていなかったジミーさんこと、ジミー・ウォング(王羽)主演!!


話題作なのか、監督が有名なのか、それともあまり見る機会が無い「台湾映画」だからなのか、ジミーさんが主演と言うことだけで、何となく見ようとしただけなんだが、こんなにも人気作とは。結局、追加販売で運良く一番後ろの中央をゲットできた。


劇場に入って見ると、なんと一番後ろに大きなプロジェクターが置いてるじゃないか!その真横の席だよ!!(汗)


映画はタイトルからして、ちょっと暗めの感じの内容かなと思ったら、それどころじゃなかった。(笑)


主人公がとあるきっかけで家人を殺してしまい、それをどうにか父親であるジミーさんが必死に隠そうとするんだけども、まぁそう上手くは行かないと・・・大体の展開は読めるし、XXする人物はなんとなく登場した瞬間にわかってしまった。


見応えはあったけど、ドッと疲れたよ。
上映終了後には、監督のチョン・モンホン(鍾孟宏)のティーチ・イン。興味深かったコメントをいくつか。


・ジミーさんを起用した具体的な理由は、子供の頃に見てたアイドル的存在だったから。でも中々返事が来なくて、スターさんだからかな?と思っていたら、その時ジミーさんは病気だったらしく、結局クランクインの二週間前に返事をもらった。


・冒頭で主人公が勤めていた日本料理屋。炉ばた焼きみたいな光景が劇中にも映ってたのでわかりました。三燔本家(晶華酒店=リージェント・ホテル内)メチャ高そう・・・ココ 


・山間部のロケ地は台湾中部。霧のかかっている場所を探したそうで、結果的に一年中霧のかかっている所だった。


・ラストで歌っていた文夏さんは、1950・60年代に活躍してらっしゃった歌手。世代で言えば80歳ぐらいの方たち。もう引退されているが、昔有名だった人が養老院で歌っている設定だった。


・劇中、映し出された「昆虫」たちについては、人間の命も(虫の命と)同じように「儚いもの」だと言う表現をしたかった。


・クレジットにあった「撮影:中島長雄」は監督自身だそう。中島は「大島渚」監督から。長雄は「いかにも野菜売り場にいそうなダサい名前」だからとか。


・「人をXXしているにも関わらず、そこを踏んづけているジミーさんが何より怖かったです」との観客の問いに「三池崇監督の映画に比べれば、そんなことありませんよ」と監督。(笑)


その他、詳しいレポートは「アジアンパラダイス」さんより。 ココ



終了後、台湾の監督が集まってのシンポジウムがあったのだが、疲れてしまったので、パスして帰宅することに。
これでTIFFには来ないので、撮り忘れのないように、下の広場でジミーさんの映画ポスターをパチリ。


この上の英文がこの映画の趣旨なんだね。最後に監督も言及してたけど、ちょっとボクには、わかったようなわかんないようなメッセージだったなぁと。(≧∇≦)他の作品も難しい映画なんだろうか?



この日で映画祭もお終い。
映画祭に参加してて思ったこと。全部でサイン会に3回参加したけど、皆さん、広東語で挨拶、会話されてらっしゃった。これって凄いことだよ。監督や役者さんは絶対に驚いてると思うんだよね。「何でみんな喋れんの?」ってな顔で対応してたもん!


本数的には6本と少ないけど、上映後に友人と食事に行ったり、久しぶりに知人の方々ともお会いできたし、結構中身が濃く、楽しく終えることができた。やっぱり話せる人がいるのは良い事だなと。ファンタの時なんて何時間も一人で待ってたもんなぁ〜。今とは全然違うよ!




― 完 ―