「導火線」谷垣健治トークショー

本日はリーさんの38回目の命日だそうです。
生きてらしたら、71歳。こんな日にドニーさんの映画について書くってのも何かの縁かと。(無理矢理)


先日、7月16日(土)「導火線」上映終了後に行われた、谷垣健治さんのトークショーを簡単にですが、レポートしたいと思います。



当日15:00頃に車で六本木へ。
端の席は埋まってるみたいだったけど、まだ席は少しあったみたい。ちなみに前回の「ワンチャイ2」の時と同じ席。(笑)キャパが大きい「スクリーン1」でやるのかと思ったら、この回だけ「スクリーン2」・・・何かちょっと損した気分。(ま、いいか)



ロビーの様子はこんな感じでした。


上映は、19:15〜21:00まで。
キャパ(87席)は満席!パイプ椅子(1席)+通路(5人)でご覧になっていた方あり。


上映終了後、SPOの村野さん司会でトークショー開始。
なんでも裏でやっている「チャン・グンソク祭り」をこの回だけ動員で上回っていたとか。


始めは谷垣さん、お1人で話されていたのですが、案の定、大内貴仁さん(「SP」のアクション監督)に声がかかり、XXトークに!(爆)


谷垣さんは、スクリーンで見るのはこれが初めてだったそうです。
いろんな話が飛び交っていたので(笑)、エピソードを箇条書きでまとめて見ました。予めご了承下さいませ。



●2006年10月8日、一番初めに撮ったのがディスコのシーン、当初は全然ストーリーなどは決まっていなかったが、AFM(アメリカン・フィルム・マーケット)用にティーザーを1日だけ撮って、それからゴルフ場のシーンを撮影した。ストーリーはやりながら決まって行った感じ。当初はマカオを舞台とする刑事の話だった。その前はドニーと真田広之の話。それから魔裟斗へ。最後はコリン・チョウヘと変った。


●ストーリーは返還前の設定になっている。今の話だと中国で上映できない。(こんな悪い人間は中国にはいないから。笑)


●今考えるとよくまとまったなぁと。(笑)やはり映画は整合性よりもエネルギーだと思った。


●タイトルは「破軍」→「強戦型警」→「導火線」へと変った。


●アクションに関しては、ドニーさんから「スタントマンのリアクションをするな!」と言われた。やりながらより良いアクションを模索して行った。


●最後のバトルの舞台は普通の民家だった。撮影前は床が平らだったが、撮影後は少林寺の床のようにヘコんでメチャクチャになった。


●この作品は谷垣さんらが、香港でドニーさんとやった最後の作品。


●ドニーさんは今、時代劇ものには飽きていて、そろそろ現代劇のアクションをやりたいんだそう。今でも一番好きなフッテージはこの映画のコリンとのバトル。中国のツイッターには「馬軍(導火線での役名)が帰って来た!」と書いていて、すっかりやる気モードらしい。


●撮影はいつ終るかわからなかった。ホンハムの棺桶屋がある通りのアパートに日本人スタントマンと泊まり込みだった。


ベトナム人役なのに、何故か谷垣さんの役名は「ケンジ」。


●この映画の公開以降、影響を受けた映画がたくさんあった。


●現在、谷垣さんが撮影中の「るろうに剣心」の大友啓史監督は、「龍馬伝」の監督をされた方で、実は香港映画が大好きだそうな。中でも「ワンチャイ〜」のファンらしい。撮影中も「このシーンは明治時代のワンチャイ〜なんだよ」と言ったり、「『導火線』って言う映画のラストが凄いんだよ〜」とも話していたそうな。(笑)


●この映画のテーマは「母性」でもある。ドニーさん演じる馬軍が忙しくている間にお母さん(羅蘭)が亡くなり、墓参りに行くも、帰り際に野良犬にお供え物を食べられてしまい、泣くシーンがあったらしい。


●葉偉信監督は、海岸で年寄りがスローモーションで走っていく場面などを見ても、視点が変っていて、ヘンな「はずし」をする人。また「葉問」以前は、「点があって線がなかった」。女の子の会話のように「点」しかなかった。つまり点・点ばかりで(ストーリーとして)つがっていなかったが、「葉問」で初めて線としてつながる映画が出来た。


●「少林寺」出身の行宇はメチャ不器用。それを悟ったドニーさん、行宇がドニーさんになついていたのを良いことに、言われるがままに殴られていた。


●アクションは一日で多くて3カットぐらい。撮れない日はワンカットも撮れなかった。


●陣中見舞いに来た徐克(ツイ・ハーク)を、大内さんは全く知らず「誰ですか?あのオッチャン?」と言ってしまったそうな。(笑)


●ゴルフ場のシーン、当初は途中でドニーさんが「やめろ!やめろ!」と止めに入るシーンがあった。ここでの撮影中々終らず、結局ゴルフ場から撮影を止められたそうな。


●アクションシーンではいろんな人がケガをしていた。裁判所の前でドニーさんがレイ・ロイを投げるシーンは投げる人が何回もやり過ぎて、指が裂けるほどだった。


●ドニーさんはアクションに使うパッドが見えるのが気に入らないらしく、人には注意してたが、自分に使うものは・・・(笑)


●この映画のように、バランスを欠いた異常なテンションの映画の方が印象に残る。


●ドニーさんは「モンキーキング」が終って、3月ぐらいから「悪漢探偵」みたいな現代アクションで刑事モノを撮る予定だったが、年末あたりからの撮影になりそう・・・


●病院から行宇を追いかけるシーン、セントラルからコーズウェイベイまでパルクール(「ヤマカシ」のようなアクション)で追っかけて、それをブルース・ロー(猛龍特技)に空撮で撮れないか?と聞いていた。そういったアイディアも出していた。


●「ドニーさんは来日してくれないんですかね?」のリクエストには、「『葉問』(反日映画)に出てるから殴られる」と言ったそうな。


●ドニーさんの現場に行った日本のスタントマンは20人は超えるのでは?もう孫弟子ぐらいが出来るぐらいの人数。彼らの中でドニーさんの影響は大きい。


●本当ならドニーさんは今頃「毒猿 新宿鮫2」を日本で撮る予定だった。 渋谷でラーメンを食べてたかも。


●最後の銃撃シーンで屋根上にいた下村勇二さん。当初は腹から落ちるハズだったのが、頭からガツーンッ!と落ちてしまった。完全にアクシデントだった。「GANTZ」のアクション監督でもお馴染みの下村勇二さん、実はこの方です。


●ドニーさんの奥様(汪詩詩)の妹さんが出ていたとの事で、皆さん驚かれていました。実はエレベーターでXXされてしまう、この方です。(汪圓圓)


●当初やるハズだったのに、ドニーさんに「それよりもこういった役がある」と言われたエピソード。実は私も何者かわからなかったので谷垣さんにお聞きした事があります。線人(情報屋)役で古天楽にボコられるこの役は谷垣さんがやる予定だったんですね。
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以上、まとまりのない書き方ですいません!
DVDや劇場でご覧になる上で、何かの参考にしていただければ幸いです。

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トークショーは、あっと言う間の50分。大爆笑のうちに幕を閉じました。谷垣さんへの質問コーナーがあったら、もっと良かったのかもしれませんね。


やっぱり現場で活躍されている方のお話は、誰より説得力があって面白いですね!こんな方、日本で他にいないですから、(ドニーさんもそうですが)もっといろんなトコで取り上げて欲しいなと。


上映後、何人かの方に「『香港公開版』と違いました?」と聞かれたんですが、特に目立った違いはなく同じだと思います。ですが、「大陸版(DVD)」との違いは明確にあります。改めてこちらをどうぞ。ココ


私は公開当時、香港で2回見てるのですが、若い人が多く見に来ていて驚きました。帰国後、その事を谷垣さんに報告すると「ドニーが若い人達の中で、クールなイメージで受け入れられ、浸透して来ている」とお聞きしました。当時のレポートはこちら 。ココ


トークショー終了後、ロビーにて撮影会に。



やっぱり皆さん、ドニーさんの来日を熱望されてらっしゃるんですよね。実現した日には、ぜひともファン・ミーティングを!・・・って谷垣さん、その際にはがんばって下さいませね。(笑)